バーナーのブログ

AV女優さんのイベント等のレポートを予定。

『うちの娘はAV女優です』出版記念イベント on 2017.2.15 まとめと感想

2017年2月15日に行われた『うちの娘はAV女優です(幻冬舎)』出版記念イベントに関する、私バーナーによる個人のまとめと感想です。箇条書きした内容がイベントの進行とは関係なく順不同になっています。ご了承ください。

まとめ


1.「母に話をしたら、『契約書を見せてほしい』という反応で、1つずつ一緒に項目を確認していった。法律面での知識が得られたのはありがたかった。」と紗倉まなさん→「冷静な反応、というか男性的な反応ですね。」とカンパニー松尾さん

2.「最初の幻冬舎での連載※は女優さんの宣伝ではないため、プロフィールを明らかにはしなかったけれど、インタビューを受けた女優さんがツイッターで発信していった。」とアケミンさん ※『親公認AV女優 裸になる娘とその親たち』アケミン―幻冬舎plus http://www.gentosha.jp/category/oyakoninavjoyu

3.「新人ADとして週刊大衆の取材を受ける→実名の掲載と実家への献本があって親バレした。雑誌掲載前に原稿の確認は無かった。」とカンパニー松尾さん

4.「本著を書いたきっかけは『こんなにも素晴らしい仕事があります』という思いではなく、『女優さんの話を聞きたい』という思いである。」とアケミンさん ※本著=『うちの娘はAV女優です』

5.「白石茉莉奈さんが母親であることを明かしてデビューしたことを受けて、自分もこうすれば違った売れ方になっていただろう。」とスペシャルゲストとして登壇した桜井よしみさん

6.(平野勝之さんの作品で新人ADのエノモトさんがカメラの前で両親にAV制作の仕事をしていることを明かすという作品※の一部が上映され、両親に告白する場面で、エノモトさんの告白を受けた)お母さんの第一声「ショックでした。」→お父さん「ショックです。」→(応援してあげられますか、という質問を受けて)ご両親「応援できない。」お母さん「自分で色々考えたのでしょうけど……」とも述べられた。 ※『秘密ライフ』という作品名です。DMMでダウンロード・ストリーミング作品として並んでいます。http://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/detail/=/cid=41vdo00008/

7.「(スペシャルゲストとして登壇した)一条綺美香さんのように明るい方がたくさんいる業界なのでこれからも少しずつ明らかになっていって作品を見る皆さんが作品に対して深みを感じられると良い。」と紗倉まなさん

8.「まなさんはアイスピックのように少しずつ突いてく、私もペンの先で突いていければ良い。」とアケミンさん

9.「自分の娘が中学校に入学して以降、父兄参観(授業参観)等で学校には行っていない。(クラスメートの)親は知っているだろう。自分の人生はどうでも良いけど、娘が悪い影響を受けるのは避けたいという思いからであった。そういう意味で娘には『学校が嫌いだから行かない』と話をした。」というカンパニー松尾さん

10.「自分の娘は既に成人している。けれども今まで娘には自分から仕事について話をしたことはない。娘は知らないだろう。」とカンパニー松尾さん→「知っていると思います。」と紗倉まなさん

11. 10.を受けて、【自分の娘がAV女優になることになったらという場面】を想定した寸劇。(紗倉まなさんが娘さんとして)娘さん「私、事務所に応募して、面接を受けた受かったの。それはAVの事務所で、メーカーさんの面接にも受かったの。」カンパニー松尾さん「俺はAV監督を辞める。」→「自分の娘から(AVの仕事をするという)話があれば、『俺はAV監督を辞める』と答えると決めている。それは、現場で娘と一緒になりたくないという理由ではなく、自分が仕事を辞めると伝えることで娘を引き留めるという意味を持っている。それでも『AVの仕事をやる』というなら『どうぞ』という姿勢だ。」とカンパニー松尾さん→仕事を辞めてしまうとこれまで自分が頑張ってきたことが崩れてしまう、ということに対して驚きを隠せない様子だった紗倉まなさん

12.「自分には結婚に対する憧れがない。なぜなら、両親が離婚したことで、上手く家庭を築けていないということを目にしているため、自分が結婚して上手く家庭を築けなかったら……という思いがあるから。」と紗倉まなさん

13.「母親と仲良しである娘さんもいれば、母親と合わない娘さんもいるわけで、AV女優であることを脇に置いて、母と娘の関係は親しいもので、父と娘の関係はある程度離れているもの、という印象を持っている。」とカンパニー松尾さん

感想
 紗倉まなさんが結婚に対する憧れが無いことについて、両親が離婚をしているという背景を語らなければ、【女性の活躍】が社会的に広がっていく中で、「結婚しないの?」という質問が飛んできたかもしれないし、自分が紗倉さんにそう尋ねる可能性があったかもしれない。けれど、背景を知ることで、今日において、『結婚をしない、あるいは憧れを持たない』等という選択や意思は決して"悪い"というものではないと思う人が多かったかもしれない。私は、『独身女性に「結婚しないの?」と言うのは失礼なことで、結婚する選択をする人もいれば、結婚しない選択をする人もいる。』等の意見をオンライン記事等で見たことがあったので、背景が何であれ、結婚に憧れを持たないという思いは悪くないと思った。
 カンパニー松尾さんが「自分の娘がAV女優になったら仕事を辞める」と述べた場面においては、仕事を辞めてしまうとこれまで自分が頑張ってきたことが崩れてしまう、ということに対して紗倉さんも驚いていたが、私も驚いた。加えて、自分の仕事に対して覚悟を持っているようにも感じた。
 『秘密ライフ』の山場である、新人ADのエノモトさんが両親に自分の仕事を明かす瞬間とその前後を見ていて、私が同じ状況に立つことを考えた時、「とてもじゃないがこの状況には耐えられない。言えない。」と思ってしまい、自分が情けないように感じた。
 女優さんのバックグラウンドを文章で見る機会や話として聞く機会は、AVを取り巻く環境が変化していく中で、今後増えていくであろうと感じ、紗倉さんが言っていたように、作品を見ること、あるいは作品そのものに対して深みを感じるようになるだろうというのは大きく共感できたところだった。

最後に、アケミンさん、紗倉まなさん、カンパニー松尾さん、一条綺美香さん、桜井よしみさん、ありがとうございました。お疲れ様でした。
f:id:burner99:20170818181058j:plain